子どもには
「おもいやりのある子になってほしい」
「やさしい子になってほしい」
と思います。
では、おもいやりのある子、やさしい子とはどういう子なのでしょう。
・相手がよろこぶような言動ができる
・ときには自分の気持ちよりも相手を優先することができる
ということです。
自分がどう行動すればその人がよろこぶのかを考える。
子どもにとってはまだまだ難しいものです。
そこで、おすすめなのが絵本を読むことです。
絵本の中のやさしさ、おもいやりの言動に触れた子どもたちは
「なぜこんなことをするのだろう」
と考えることでしょう。
ですが、
「自分がこんなことをしてもらったら、うれしいだろうな」
と思うはずです。
これが、やさしい子になるための第一歩です。
子どもの中で「してもらってうれしい」がたくさん増えれば、必ずそれをだれかにしてあげるようになります!
最適な絵本を集めました。
是非お役立てください♪
わたくし、きつねが「おもいやりの気持ちをはぐくむ絵本」ご紹介しますよ♪
おもいやりの気持ちをはぐくむ絵本
1位 やさしさとおもいやり
作・絵:宮西達也
出版社:ポプラ社
おすすめ年齢:4歳~
文章量:やや多い
語り手は赤い実をつける「木」です。
ある日ゴルゴサウルスとティラノサウルスが、この木の目の前でケンカをはじめます。
そのとき、近くの山が大噴火をおこし、足元がくずれ出してしまいます。
ふたりは木にしがみつきます。
気づけば、ふたりと木は、がけの上にとりのこされてしまうのです。
木の実を食べ、雨の日は木の下で休み、なんとか生きながらえるふたり。少しずつ木への感謝を口にします。
しかし、ものすごい嵐がやってきて、雷が木に落ちてしまいます。
根もとから折れ、がけから落ちていく木…
ふたりは木を守ろうと一緒になってがけから落ちてゆきます。
そのふたりを木はえだをのばして抱きよせ、守るように落ちてゆくのです。
「木」の語り口調がとてもおだやかで、心温まります。
そして、だんだんと気持ちが変わっていくゴルゴサウルスとティラノサウス、涙なくしては読めない、とても感動する一冊です。
2位 どうぞのいす
作:香山美子
絵:柿本幸造
出版社:ひさかたチャイルド
おすすめ年齢:3歳~
文章量:やや多い
うさぎさんが小さないすをつくりました。
うさぎさんは、こかげにいすをおくと、その横に「どうぞのいす」とかいた立て札をたてました。
はじめにやってきたろばさんは、どうぞのいすを見るといいました。
「おや なんてしんせつないすだろう」
ろばさんは背中にせおっていた、どんぐりのいっぱい入ったかごをいすにおき、こかげでひとやすみ。お昼寝してしまいます。
そこへ、くまさんがやってきました。
どうぞのいすをみるといいました。
「これは ごちそうさま」
くまさんは、かごの中のどんぐりをみんな食べてしまいました。
「でも からっぽにしてしまっては あとのひとにおきのどく」
そこで、くまさんは持っていたはちみつをいすにおいていきました。
その後も、どうぶつたちがやってきますが、みんな「どうぞのいす」によろこび、いすの上のものを全部食べてしまいます。けれども、あとの人のことを考え、しんせつにも、持っていたものをおいていきます。
やさしさもおもいやりも、自分以外のだれかのことを考えることから、始まりますね♪
さて、おひるねしていたろばさんがいすをみたときの反応は?読んでみてのお楽しみです♪
3位 ねむるまえにクマは
文:フィリップ・C・ステッド
絵:エリン・E・ステッド
訳:青山南
出版社:光村教育図書
おすすめ年齢:3歳~
文章量:やや少ない
冬が近づきねむくなってきたクマは、ねむるまえにみんなに話したいことがありました。
友だちのネズミくんに話しかけますが、ネズミは冬がくるまえに木の実を集めておかなくてはなりません。
クマはネズミといっしょに木の実をさがしてあげました。
友だちのカモくんに話しかけますが、カモは冬がくるまえに南の方へ行かなくてはなりません。
クマは手をあげて風向きをしらべ、カモを見送りました。
友だちのカエルくんに話しかけますが、カエルは冬がくるまえにぐっすりねむれるあったかい場所をみつけなくてはなりません。
クマはカエルにぴったりの場所に穴をほり、いろんな葉っぱをもうふのようにかぶせました。
数か月がすぎて、春がやってきました。
クマはネズミにどんぐりをもっていき。
「おかえり カモくん」カモに声をかけ、すずしい水たまりに案内します。
そしてカエルを日の当たるあたたかいところへだしてやります。
自分の話したいことよりも、お友だちをたすけることを優先するクマ。
おだやかで、とても親切で、おもいやりあふれるクマに、こちらの心も満たされます。
さて、クマがみんなに話したかったこととは何だったのでしょうか。お友だちはちゃんと耳をすませて聞いてくれますよ♪
4位 ユッキーとダルマン
作:大森裕子
出版社:教育画劇
おすすめ年齢:3歳~
文章量:やや少ない
ある朝、ふたごのゆきちゃんとだいちゃんがめざめると、雪がふっていました。
庭に出たふたりは雪だるまをつくりました。
ゆきちゃんがつくったユッキーと、だいちゃんがつくったダルマンです。
手のひらにのる、かわいい雪だるまと一緒に、公園に行くことにしたふたり。ソリあそびやスケートあそびをたのしみます。
ユッキーはゆきちゃんに、ダルマンはだいちゃんにしっかりだっこされてうれしそう。
たくさんあそんだふたりはおうちに帰りますが、ユッキーとダルマンがとけてしまわないかと心配になります。そこで雪だるまをれいとうこへ入れてあげます。
ユッキーとダルマンは、ゆきちゃんとだいちゃんのむかえを待ちながら、れいとうこであそんでいます。
しかし、一日がすぎ、二日すぎても、ゆきちゃんとだいちゃんはむかえにきません。
ユッキーとダルマンはれいとうこをぬけだし、ふたりにあいに行くことにします。
すると、ねつを出してねているゆきちゃんとだいちゃんをみつけます。
ユッキーとダルマンはふたりのおでこによじのぼると、自分の体がとけるのも忘れて、
スイースイー
うれしそうにスケートあそびをするのです。
「やっと あえたね」
ユッキーもダルマンもとてもうれしそうに消えていきます。
切なくも感動する絵本です。
ユッキーとダルマンのおかげで、元気になったゆきちゃんとだいちゃんの笑顔にほっとします。
5位 うみのおいしゃさん モグローせんせい
作・絵:レオ・ティマース
訳:ひしきあきらこ
出版社:フレーベル館
おすすめ年齢:3歳~
文章量:やや少ない
特別なせんすいていに乗り込み、海の中へでかける、うみのおいしゃさんモグローせんせい。
海のいきものたちの困り事をなんでも解決していきます。
モグローせんせいのせんすいていは、不思議なことに、治療に合わせてなんでも出てきます。
目が見えないタツノオトシゴの目の検査をしてあげたり、歯が痛いサメの虫歯をぬいてあげたり、そのたびに、モグローせんせいのせんすいていは、形をかえ、どこに入っていたのかアームが出てきて、すばやく解決していきます!
そして時には、ただ話し相手になったり、勇気づけてあげたり、励ましてあげたりもします。
そんな優しいモグロー先生がピンチのときは、海のいきものたちは、必死になって、モグローせんせいを助けます!
私もモグローせんせいに診てもらいたい!
心がほっこりする、素敵な絵本です♪
6位 ぼく、あめふりお
作・絵:大森裕子
出版社:教育画劇
おすすめ年齢:3歳~
文章量:やや少ない
ちょっぴりせつないけど、心あたたまる絵本です。
てるてるぼうずの「あめふりお」のまわりはいつも雨。
おひさまをみたことがありません。
「とおくにいったら おひさまにあえるかもしれない」
あめふりおは、おひさまをさがしに、でかけて行くのです。
しかし、いくら歩いても雨はやみません。
すると、雨の中でも笑顔で楽しそうに遊んでいる女の子と出会います。
女の子は
「あめがだいすき」
と言ってくれます。
あめふりおと女の子はいっしょに雨の中で遊びます。
そんな女の子が
「あしたね、ピクニックにいくの!」
「あ~した てんきに しておくれ~」
とあめふりおに、言うのです。
あめふりおはどうするのでしょうか。
最後のあめふりおの言葉が、切なくも感動します!
ぜひ読んでほしい一冊です。
7位 かたあしだちょうのエルフ
文・絵:おのきがく
出版社:ポプラ社
おすすめ年齢:6歳~
文章量:多い
エルフはわかくて強くてすばらしく大きなおすのダチョウです。
エルフはとても子どもが好きでした。
子どもたちを背中にのせ、広い草原をゆっさゆっさゆれながらドライブします。
ある日、たてがみをふりみだしながらライオンがおそってきます!
エルフはライオンの前に立ちはだかりました!
ライオンはエルフめがけてつかみかかります!
あたりの小えだや草がとびちり、もうもうとたつ砂煙の中で、
エルフがさいごにけった一発がきいたのか、ライオンはよろよろしながら、おかのむこうへ、帰っていきました。
みんなはおどりあがってよろこびます。
ところが、たいせつなエルフの足の一本がくいちぎられていたのです。
子どもたちとも遊べなくなり、えさをとるのもたいへんな苦労となりました。
それでもエルフは、クロヒョウにねらわれる子どもたちを、最後の力をふりしぼって助けます。
勇敢で、心やさしいエルフに、勇気をもらえる、すばらしい絵本です。
読みおわった後は、子どもたちに感想を聞いてみたくなる、とても考えさせられる絵本です。