アラフォー女性もハマるこの「十二国記」シリーズは、言葉が胸にささります。感動を呼び、涙を呼び、強い衝撃を呼び、読み終わった後は、なんだかスッキリ♪
仕事や子育て、家事に大忙しのアラフォー女性に是非ほんのひととき日常からはなれて、緊迫・苦悩そして栄華、涙をぽろぽろ流して誰かのために生きるっていいなと心ふるえる時を、この本で味わっていただきたい♪
「私が胸にささった言葉たち」をご紹介します。
「十二国記」シリーズ
ましょうのこ
『魔性の子』 1991年
つきのかげ かげのうみ
『月の影 影の海』上・下 1992年
かぜのうみ めいきゅうのきし
『風の海 迷宮の岸』 1993年
ひがしのわだつみ にしのそうかい
『東の海神 西の滄海』 1994年
かぜのばんり れいめいのそら
『風の万里 黎明の空』上・下 1994年
となんのつばさ
『図南の翼』 1996年
たそがれのきし あかつきのそら
『黄昏の岸 暁の天』 2001年
かしょのゆめ
『華胥の幽夢』短編集 2001年
ひしょのとり
『丕緒の鳥』短編集 2013年
しろがねのおか くろのつき
『白銀の墟 玄の月』 新作長編 2019年 全4冊
『魔性の子』
十二国記シリーズの始まりとも言える『魔性の子』ですが、十二国の世界は出てきません、日本の高校生の物語です。ただ異世界との繋がり、奇妙な獣など、十二国の世界への伏線は描かれています。この物語が十二国記の世界へと繋がっていくというのがまた凄いことです。ファンタジー感はゼロです。ホラーに近く、なかなか戦慄の物語です。魔性の子がなんだか怖かったから、次を読むのがためらわれる方!『月の影 影の海』からは違います!ご安心ください。大人がハマり泣けるファンタジーです。
『月の影 影の海』上・下
『月の影 影の海』はいよいよ十二国の世界へと入っていきます。『月の影 影の海』の【上】では、辛く苦しい時が流れます、これでもかと苦しめられます、この状況みなさんだったら生きていけるでしょうか、私は…無理かも。ただ『月の影 影の海』の【下】で人生が一変します。ここが面白いところです!
私は『月の影 影の海』【下】からがどんどん面白くなっていきました。
「わたしが遠くなったんじゃない。楽俊の気持ちが、遠ざかったんだ。わたしと楽俊の間にはたかだか二歩の距離しかないじゃないか」 [月の影 影の海 (下) 新潮文庫]
『風の海 迷宮の岸』
『風の海 迷宮の岸』は、魔性の子を読んでから読むと、その衝撃が感動へとかわります。魔性の子を読まずに読んでも支障はありません。魔性の子を読むと色々な謎が残るのですが、この『風の海 迷宮の岸』でその謎に一気に迫ります。そしてなんと言っても、10歳の子のあどけなさ…優しさ…癒されます。
景麒が手を伸ばしてくれたので、泰麒は迷わずその手を握った。 [風の海 迷宮の岸 新潮文庫]
『東の海神 西の滄海』
私はこの『東の海神 西の滄海』 の尚隆と六太の関係が好きなんですよね~。この2人のやり取りいつも面白いんですけど、この 『東の海神 西の滄海』 からわかる信頼関係があるからこそ!なんですよね~。
「民のいない王に何の意味がある。国を頼むと民から託されているからこそ、俺は王でいられるのだぞ!その民が国など滅んでいいと言う。では俺は何のためにここにおるのだ!」(中略)「生き恥さらして落ち延びたはなぜだ!… [東の海神 西の滄海 新潮文庫]
『風の万里 黎明の空』 上・下
この 『風の万里 黎明の空』 は、 『月の影 影の海』 の物語のその後が描かれています。陽子の苦悩、そして巡り合い、どんどん引き込まれていくのですが、やっぱり最後の麒麟の背に騎乗するところ!もう~鳥肌が立ちます!
「何の努力もなしに与えられたものは、実はその値打ち分のことをあんたに要求してるもんだ。 [風の万里 黎明の空(上) 新潮文庫]
『図南の翼』
『図南の翼』 では生まれも育ちも良く少し生意気な少女を中心に物語がすすむため、感情移入しにくいと思っていたら、だんだんこの少女への見方が変わっている自分がいるんですね~気づいたら応援しているんです(笑)
「どうして誰も王になろうとしないんだ、王は現れないんだ、って怒っておいて、自分には王なんてなれるはずがない、そもそも蓬山なんて行けるはずがない。これってぜんぜん同じじゃない。だから、まず自分で行こうと思ったの。黄海に行って帰ったら、あたし堂々と、やるべきことをやってから嘆けば、って言ってやれるわ。妬まれたって羨まれたって、あたしは恵まれてるぶん、やるべきことをやったの、って言える… [図南の翼 新潮文庫]
『黄昏の岸 暁の天』
この『黄昏の岸 暁の天』 は怒涛の展開で、シリーズの中で一番読むのを止めるということができず、夜更かししてしまった本です。こちらは是非 『魔性の子』⇒『風の海 迷宮の岸』⇒『黄昏の岸 暁の天』 と読み進めていただきたいです。
「結局のところ、その人物の為人の問題でございますよ。そしてそれは、その者がいかに振る舞い、生きているかにかかっているのです。常にそれを問われている。 [黄昏の岸 暁の天 新潮文庫]
『華胥の幽夢』
『華胥の幽夢』 は短編集です。その中でもやはり 華胥 は涙なくしては読むことができない、驚愕の終盤を迎えます。十二国記の面白さでもある、ファンタジーながら人間の生々しさが描かれているところ、だから泣けるのですが、 華胥 は一番泣けました。
「責めるのは容易い。非難することは誰にでもできることです。でも、ただ責めるだけで正しい道を教えてあげられないのなら、それは何も生まない。正すことは、何かを成すことだけど、非難することは何かを成すことじゃない… [華胥の幽夢 新潮文庫]
『丕緒の鳥』
『白銀の墟 玄の月』 全4冊
こちらは是非 『魔性の子』⇒『風の海 迷宮の岸』⇒『黄昏の岸 暁の天』⇒『白銀の墟 玄の月』 と読みすすめていただきたいです。この大巨編を読み終えて私は、驍宗と阿選の対峙が見てみたかったなぁなんて贅沢なことを考えていました。みなさんはどんなご感想をお持ちでしょうか。
絶望して取りかかっても良いことなど何もない。まず最初に必要なのは、希望を失わないことだ。 [白銀の墟 玄の月(一)新潮文庫]
「麒麟がどういったお方であるか、知らないわけではございません。ですが、私たちには、罪に踏み込んででも戴を助けてくださる方が必要でした。もしも御自身をお責めになるというなら、どうぞ、助けをこいねがった私たち戴の民もお責めになってください。」 [白銀の墟 玄の月(四)新潮文庫]
2002~2003年にNHKでアニメ化もされています。これは今NETFLIXで見ることができます。原作とは内容が少し異なりますが、アニメの方も面白いです♪